セクシャルハラスメント

セクシャル・ハラスメントことセクハラという言葉がすっかり定着している今日ですが、実際、この言葉の意味をちゃんと理解している人は少なく、なんでもかんでもセクハラといえば済んでしまうような風潮になってきているのが現状です。
ここでは、セクハラとはどんな行為をいうのか、セクハラの対応策などを紹介していきたいと思います。

セクハラとは?

セクハラとは、「性的いやがらせ」のことをいいますが、広くは、「相手方の望まない性的言動すべて」をいいます。

改正均等法の内容は?

改正均等法21条は、セクハラに関し「職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮」を規定し、企業が雇用契約の付随義務として、職場において従業員にセクハラが生じないよう配慮すると同時に、それが生じた場合には迅速・適切に対処すべき義務を定めています。
また、この均等法に基づき労働省の指針も定められ、企業に対して職場でのセクハラにかんする方針を就業規則などで明らかにし、従業員に対してその方針を知らせ、更には、セクハラに関する相談窓口を設け、相談や苦情に適切に対応することが必要だとしています。

 セクハラとされる性的言動とは?

● 性的な冗談を言う
● 食事やデートに執拗に誘う
● 性的な体験談をしたり、聞いたりする
● 不必要な身体的接触をする
● 性的な強要をする
● わいせつな写真や絵を掲示する

・・・・など、不快に感じる性的な内容の言動がセクハラといわれます。

セクハラが問題になったときの企業の責任は?

まず、企業の代表者がセクハラをした場合、その代表者個人はもちろんのこと、会社も不法行為責任を負います(民法44条他)。

また従業員がセクハラをした場合も、その従業員本人が不法行為責任を負う(民法709条)とともに、もしその行為が職場の中で行われたり、勤務時間中に行われたりなど、職務に密接に関連して行われたと判断された場合は、企業も責任を負うことになります(715条)

セクハラの慰謝料はどれくらい?

セクハラの場合の損害賠償請求では、通常、慰謝料+弁護士費用が損害とされます。
セクハラを受けた人が、会社にいづらい環境になり退職を余儀なくされた場合は、退職しなければ得られたであろう収入も損害に含まれます。

セクハラ被害は、その場限りのものではありません。
セクハラの結果、職場の環境が悪くなり仕事に支障をきたしたり、あとあとまで心の傷を引きずったりする場合もあります。
セクハラは決して、軽微な問題ではないのです。
今後、セクハラに対して正しい認識と問題意識をもって、より快適な環境作りを目指していきたいものです。


神奈川県弁護士会・港都綜合法律事務所